軽オフセット CTPについて


ここでは当社のお勧めする軽オフセット CTP ”網技Uを使ったCTP”につきましておおまかなお話をさせて頂きます。やり方はとてもシンプル。平たく申せば、アナログ製版でおなじみのピンクマスター版を普通紙の代わりにレーザープリンタに通し、それを刷版として使うシステムです。出力時に ”網技U”を通してプリントするだけで写真や網に網点が入ります。もちろん現像処理など不要です。今お使いのピンクマスターのエッチングで、そのまま即座に印刷機にかけられます。特に新しい発想ではないのですが、いまだに「そんなので印刷できるとは知らなかった」と言われることがあります。使用する版はもともとピンクマスターですので、エッチングの化学反応により表面がコーティングされ(これには現像処理の有無に無関係です)、非画線部にはインクはのりません。逆に画線部の粉体トナーは親油性でインクがのるのです。これで普通に印刷できるのです。 製版にレーザープリンタを使う方法は、私どもが、前身会社から数えて20年以上前から提唱してきたものでした。実は、海外ではごく一般的な乾式方式なのです。現在、湿式製版機(CTPだけになりました)を製造しているのは世界的にみても岩通さんだけになりました。(LP-630Xe /LP-540e/LP-530e)。近年では三菱製紙さんのサーマル(感熱)CTP(TDP-459/TDP-324)も出てきていますが、湿式製版は主に日本に見られるものなのです。原理は皆一緒でしたが今まで実に色々な製版機が販売されてきました。携帯電話と同じでまさにガラパゴス的進化を遂げてきたと言えます。なぜ日本では湿式が主流になったのでしょうか? まず、複数の大会社(岩通 富士 リコー)が湿式製版機・感材を日本拠点として、こぞって製造販売してきた経緯があります。また、日本語が外国の文字に比べ、文字が複雑で再現が難しかったことがあります。印刷においては、「明朝体の横線が飛ばないで出るか」、「画数の多い漢字がつぶれないで再現できるか」、「文字のキレがどうか」が常に問題になってきました。そういった点で、湿式は一応満足感の得られるものでした。あえて過去形でお話させていただきました。何故なら、現在のレーザープリンタは性能が大きく向上しています。トナーの粒子も微細になり、解像度もリアル1200dpiが当たり前になりました。きれいな文字が再現できています。確かに以前はあったトナーの飛び散りによる地汚れも解消されています。文字での品質の差異はほとんど無くなったと言えます。逆に岩通さんのCTPでは「文字が細すぎてボールドをかけないと飛んでしまうことがあるが、ボールドをかけると文字が太りすぎてしまう」との話も聞きます。レーザープリンタでの製版の方が良い評価をもらう事もあります。官庁での入札も、当たり前にオンデマンドコピーでの納品も認められるようになってきています。品質的にはコピーでOKが出ているという状況です。写真や網の再現はどうでしょうか? 実は、高価なオンデマンド機であれば素のままで網点も再現できるのです。部数が多くて印刷機にまわしたいと思うものは、マスターを1版通して刷版をつくり印刷機にかけて使えば製版機はいらないのです。そのように使えばコピーチャージも大幅に節約できるのです。でもコピーチャージで稼ぐ機械メーカーの利益に反する行為になりかねません。こんな話をすると、「万一トラブルが起きた時、指定外の用紙の使用を理由にメンテナンス等でまずいことになるのではないか」と皆さん尻込みしてしまうのです。確かに気持ちはわかります。当然やっている人もいますが、私からは無理にお勧めすることもできません。しかし、高価なオンデマンド機をあえて使わなくともいいのです。実は、市販の安価なレーザープリンタを使っても写真や平網が満足のいく網点で出せれば十分に版として使えるのです。それを可能にしたのが“網技U”です。当社のお勧めする“網技U”はWindowsマシンにインストールして網をきれいに出す“ソフトRIP”です。“網技U”を使ってプリントすれば、写真や網をお好みの線数の網点で再現できます。(120線が実用的です)キャリブレーション機能も付いており、写真の明るさも調整できます。推奨する市販のレーザープリンタの価格も25万〜30万程度。実は、ネット通販(価格コム)で検索すればこのプリンターは新台が10万円で買えてしまうのです(もちろんメーカー保証も付きます)。他の製版機250万〜300万することを考えてみてください。オンデマンドにおされ、ペーパーレスで印刷物の減少が続く軽印刷業界で、今後の事を考えると高価な製版機の購入は一大事です。CTPを既に持っている方も、今後の機械の更新はどうされるのでしょうか? 再び岩通さんのCTP製版機(LP-630Xe /LP-540e/LP-530e)ですか? それとも次は三菱製紙さんのサーマルCTP(TDP-459/TDP-324)をご検討になりますか? アナログ製版機は既に新台の販売を終了しました。当社もまだまだ韓国製アナログマスターを売りたいのですが、アナログ需要は今後も減少の一途でしょう。まだアナログ製版機しかお持ちでない方には、今から高価なCTPは、とりわけハードルが高いのではないでしょうか?機械だけでなく色々なソフトも必要ですし、その習得も大変です。網技Uではマスターの代わりに普通紙を使えば、網点加工された版下を出力することができます。紙焼きの代わりや校正紙(他の製版機ではできません)としても使えます。それをアナログ製版すれば上質な印刷結果を得られます。CTPより若干精度は落ちますが、さほどではありません。網技Uではこのような使い方もできるのです。CTPをお持ちの方も、お持ちでない方も、是非一度、当社が推奨する安価な網技CTPシステムをご検討されては如何でしょうか?

余談ですが、当社がマスターを直輸入している韓国の事情もお話しします。韓国ではレーザープリンタを使った製版と岩通さんの製版機を使った製版との比較割合は、何と91だそうです。三菱製紙さんのTDPに至っては機械、版とも高くてほとんど手が出ないようです。当社が知る限りの東南アジア、中南米等もほぼレーザープリンタでの製版一色となっています。アメリカ、ヨーロッパではオンデマンドコピーに加え、市販のインクジェットプリンタの製版機転用まで存在します。そこには湿式製版機、サーマル製版機の影はほとんど見えてきません。いきなり海外の事情を聴かされても「それがどうした。ここは日本だし、土俵が違うよ」と言われるかもしれません。私が申し上げたいのは、従来のやり方以外にも、実は他にも良い方法があって、ちょっと目を向けて頂けないかという事です。知らぬ間に意外に良くなっているものがあるのです。つまり、レーザープリンタで、ごく安価にCTPシステムが実現するようになっているのです。絶対的な仕事量が減少し、安値競争で利益も減っているのに、ことさら過剰に133線やら150線の品質を追求して高価な設備を導入または更新する。見返りを得られる日は来るのでしょうか? つくづく心配になります。 私も長年印刷会社の営業として印刷に関わり、その後、印刷材料販売に携わってきました。異なる立場からも軽印刷を見てきました。そしてアフターコロナの今、世の中から印刷物自体が急速に減ってきています。一方、岩通さんも2023年9月から消耗品の価格を20%値上げしました。CTPのマスター版が20%値上げされました。これまでOEM供給を受け比較的安価に手に入った版もなくなりました。今後は互換商品はありません。今からオンデマンドに切り替え先人たちの中に切り込んでも遅いかもしれません。今ある印刷機を生かし生きるなら当社のお勧めする網技Uは、簡易型にして、十分実用に耐える安価なCTPになると思っています。

〇 網技UWindows PCにインストールして使用する網点作成用ソフトRIPです。

 市販のレーザープリンタを製版に使いCTPを実現します。

〇 使用版は韓国製シート版ピンクマスター FLEXマスターの名前で販売しています。
  当社は長年韓国より直輸入しており、安価にご提供しています。

〇 エッチングは現在ご利用のピンクマスター用エッチ液で大丈夫です。




20年前は残念ながらプリンタの性能が足りず、満足いただけませんでした。

10年前は既に岩通さんのCTPが急速に普及されてしまっていました。網技の発売で網こそ再現
 できるようになっていましたが、当時は
100線推奨、キャリブレーションが設定できずに写真は
 濃い仕上がりのままで、多数の支持をいただけませんでした。

・そして現在、ソフトリップ“網技U”とレーザープリンタで実用120線、キャリブレーション
 機能で写真の明るさ調整が可能となり、安価で実用性のあるCTPシステムが構築でできるよ
 うになっています。

・Kimosetterインクカセットもついに販売終了となり、これまでKimosetterご利用の方も次の展開
 に頭を悩ませている事と思います。これまでご使用のインクリボンは親油性、レーザープリンタ
 のトナーも同じ親油性、リボンと粉の違いはありますが、ブランに転写する原理は同じです。
 極端な事を言えば、キモプレートをレーザープリンタで使用しても印刷版が作成できたはずでし
 たし、ピンクマスターをKimosetterに入れても印刷版ができたはずです。Kimosetterはフイルム
 専用機に改変して世に出ていましたが、オリジナルの沖データ製のプリンタでは、この使い方が
 可能でした。しかし、キモプレートと違い、当社のご案内する版は紙製のピンクマスター版です
 ので印刷にはエッチングが必要ですし、扱いはキモプレートとは異なります。当社はテストの為
 のサンプル版提供も行っています。実際に版を印刷してみて、網技のシステムを採用いただける
 とを願っています。お気軽に弊社宛メールを頂ければ対応させていただきます。

・網技対応のレーザープリンタの選定ですが、A3ノビに対応していること。解像度が1200DPIで
 あることを基準に機種を選んでいます。現状、カラープリンタになっているのはその為です。
 本年、販売終了モデルが相次ぎ出ましたが、今後も新しい対応モデルを検証していきます。
 お客様からのプリンターのご提案も前向きに考慮させていただきます。




 別ページで網技Uについて、より詳細を載せてありますので、是非ご覧ください。

                               
                                  合同会社 FLEX




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